リビドー

フィクションの中で窒息死するまでセックスしたい

ルサンチマン

ピルをULDからLDに変えた。

エストロゲンの容量を増やすことによって血栓症のリスクが高まるし、脚のむくみも今より酷くなるだろう。

相変わらずの頭痛とも戦わねばならない。

それなのに煙草の本数は増える一方だ。

どうせなら愛する人との性行為の後に血栓が悪さをすればいい。

腹上死ともいえるかもしれないけれど、死因は血栓、つまりピルに殺されるのだ。

お金と時間を費やして処方してもらったピルに殺されるなんて、まるで愛する者に裏切られて殺害されそうになるスパイ映画「355」。

昔のセフレくんから定期的にLINEのメッセージが届く。

ずっと迷わず未読非表示、だけど今回は既読をつけようか悩んでいる。

悩んでいるから、数時間後には既読にするでしょう。

イケメンだった顔と話し方と職業とちんこの形と、遅漏だったことファッションが好きなこと美容が好きなことパリのサンローランの写真を送ってくれたことフランス土産にチョコレートをくれたこと帰省土産にのどぐろの干物をくれたこと初めての食事はつばめグリルだったこと深夜に富士そばに行ったことフットサルで怪我をしたこといつも平気で遅刻してくること勝手にハメ撮りをしていたこと、ほかにもたくさん覚えていることがあるよ。

短期間に数回しか会っていない人に対しても、私の記憶力はフルで活動する。

良いことよりも悪いことのほうが鮮明に記憶に残るけれど、その記憶の海に溺れて死にたくなる金曜の夜が愛おしい。

銀河鉄道の夜に僕はもう空の向こうに飛びたってしまいたい

私は何日後に死ぬのかなあ。