リビドー

フィクションの中で窒息死するまでセックスしたい

蜘蛛の糸

いつからだろう毎日職場へ出勤しては8時間のイライラ耐久レースに参加するようになったのは私はもっと他人の顔色を伺ってもっと感情を出すことが下手でもっと理論的人間だったはずだ職場で感情的になる人間を最も嫌悪し反面教師にしようと誓った数年後にまるで同じ人間になっているとは想像もしなかった私に憑依した悪魔はこの仕事を辞めるまで決して私の中からいなくならないし早くしないと脳みそだけでなく子宮や骨髄まで犯されてしまう助けてほしい一刻も早くここから連れ出してほしい私が私でなくなることの怖さが1分1秒ごとに強くなってゆく顔の右半分が腐敗してドロドロに溶けてしまった蛆虫が湧きゴキブリに踏み荒らされた私の顔の右半分はもう二度と修復できないのだろうか恐怖で戦慄き嘆き悲しむもう二度と過去には戻れないなら未来なんていらない