リビドー

フィクションの中で窒息死するまでセックスしたい

精子まみれのプラトニックラブ

バンドマンくんはセックスが乱暴なセフレくん。

 

高校の先輩だった彼と共通の友人の結婚式で数年振りに再開し、さらに数ヶ月後、歌舞伎町のラブホテルでセックスをした。

 

高校生の頃に純粋に先輩として憧れを感じていた彼と5回戦目に突入した頃には大好きを連呼し、擦り切れてヒリヒリ痛むマンコを破壊して欲しいと願った。

 

感情を読み取れない彼の目で凝視されると、それだけでイキそうになる。

見ないで欲しいと思うのに、目を逸らされると途端に泣きそうになる。

 

彼には彼女がいるし、間もなく転職して遠くに行ってしまう。行かないでと言える立場だったら、こんなに乱暴で愛のないセックスを味わうことはできなかったのだろう。

 

セブンスターの香りのキスも、一晩で何度も私の中に出された精子も、私の隣で無防備に眠る彼の寝顔も、性器の擦り切れる痛みも、全部全部大好きだった。

 

愛して欲しいなんておこがましいことは口にはしないから、たった2回のセックスを生涯忘れないでいてね。

 

幸せになってねと言う彼に、私は幸せを求める人間じゃないよと言って、朝日の眩しい歌舞伎町の街でさよならをした。

刹那的に生きているのは世界でたったひとり、私だけのような気がした。