リビドー

フィクションの中で窒息死するまでセックスしたい

ロイホ

小学生のときに友人から、好きな人に宛てたラブレターを代わりに渡し合いしようと提案され、私の書いたラブレターだけが友人の手によって私の好きな人に渡った。

友人はラブレターを書かなかったし、私のラブレターは多くの人が目を通して、私は深く傷ついた。

 

中学生のときに付き合い始めた彼氏は、中学を卒業後、別の高校に進むと呆気なくほかの女と付き合いだして、私は深く傷ついた。

 

高校生の頃に一目ぼれをして、大学生になってから二人で食事に行った先輩は、私とセックスをした後にSNSでほかの女と付き合い始めたという報告をツイートして、私は深く傷ついた。

 

社会人になってから再会した同じ部活の先輩は、私と二度もセックスを楽しんだ後に結婚をして、私は深く傷ついた。

 

そして今、初めて交際が1年も続いて同棲を始めた彼氏は、仕事が忙しいと言いながら私に雑用をさせている間に、私に出会うよりも前に出会っていた売女と毎日変態な内容のラインをしていて、私は深く傷ついている。

 

セフレくんたちと必要な時にだけ会って、お互いのプライベートには干渉せずに、ただ純粋にセックスを楽しんでいた頃の私は傷ついていたのだろうか。

誰かを信用して裏切られることを繰り返してきたのにも関わらず、また同じ選択をする私を私は理解できない。

私を傷つけているのはいつも私自身だ。

生きるのに向いていないのだから、まあ仕方ないか。

 

有楽町のロイホで月に一度女友だちと愚痴を零し合う時間は、私にとって延命措置である。

ノマド

ノマドな私は3年連続で引っ越しをして3年連続で苦痛を味わっている学習できない馬鹿なのか未来に希望を見出すポジティブな人間なのか自分でもわからない幼い頃から私はずっと虚無だっただから虚無状態が私のノーマルだし外部から何かが侵入して長時間経つと死にたくなるどれだけ居心地の良さを感じて受け入れたものでも時間というのは酷でそれまでプラスだったものがマイナスに転じて自分の神経系血管系消化器系呼吸器系生殖器系内分泌系すべてを蝕んで腐らせる一度不快に感じた存在は未来永劫不快なものと認定してしまう癖は28歳になっても治らない同じ空間で同じ空気を吸っている事実がおぞましくて居場所を転々とするこの人だけは無害だと根拠のない感情論で行動したことがすべての原因で人間常に論理的であるべきだという私の信念を私が裏切った結果だ大好きだったセフレくんたちとの関係もすべて清算したことを正しい行動だと思っていたのにその行動を自ら進んで選択したはずなのに自分だけが損をしているような気がするのはこれもまた感情に支配されて冷静になれていないからなのだろう原子レベルで何もない場所でひとりになりたいそうしたら死ぬけどね

ラブアンドピース

満員電車で知らないおばさんに文句を言われた朝8時30分の時点で今日は最低な1日になることを理解すべきだったのに仕事中にクライアントでもない知らないおじさんに怒られて帰りには駅の改札で知らないおばさんに死ねクソと言われて私は身も心もボロボロだ。身も心もボロボロな私は家に帰ると知らない靴で溢れた玄関を目の当たりにして外に出た。私に家はない私に帰る場所はない私に居場所はない。まるで大殺界かのような苦行の連続に私は耐えられるだろうか。他人に言われなくても簡単に死ねるなら今すぐ死にたいと毎日思っているしお金があれば今すぐ引越している。財力も行動力もない自分に嫌気がさす。子どもの頃の自分は今の自分を想像できただろうか。涙も出ないほどに疲れ果てている今の私を想像できたならどうして社会に出る前に死んでくれなかったのか。偏頭痛を紛らわそうとボブマーリーを聴く。ワンラブ。ワンラブ。今日は月曜日だ。この世に救いはないのに、ボブマーリーは世界平和を歌う。